発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などを含む広範な概念になります。いくつかのタイプが重複することも多くあります。比較的新しい疾患概念も含んだ考え方なのですが、障害というよりは、さまざまな発達特性とか個性といったほうがしっくりする場合も多いです。発達障害がある方は、一般的に対人関係を作ることがスムーズにいかず、他者からは「変わった人だ」とか「わがままな人だ」などと誤解されやすいようです。その一方で優れた能力などがあることも多く、他者からはますます理解することが難しい人になってしまいます。発達障害のある方は、そのような中で過ごすうちに、自己肯定感が低下してしまったりすることがよくあります。そういうことが長く続くと、うつ病などの二次的な精神疾患にかかることも少なくありません。その場合は、本人に支持的に接するのはもちろんですが、一般的なうつ病治療とは少し違う工夫をした薬物療法を行うことが大切です。また、発達障害の方の症状として多い感覚過敏には少量の抗精神病薬が効くことがありますし、ADHDの方の注意欠陥や多動に対応するような薬物療法もあります。
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